鳥居に百舌鳥、対の蓮華

トラックメイカーの観音クリエイションさんが立ち上げたレーベル"Moz Records"のロゴを作らせていただいた。

という一文を己で打ち、何度も何度も読み返しうっとりしている。やばい。この皺の少ない慢性寝不足の脳みそで、幾度言葉をまぜかえしても、卑屈な戯言や御託しか浮かばぬので、「作りました」という事実のみを記そうか。

定職を持たず、定住せず、当たり前のようにふらふらしていたとき、いまの放浪のそれとは違うふらふらをやっていたとき、何となく「帰りたい」と思うことが時々あった。実家や地元にじゃなく、どこへというはっきりしたイメージはなく、ただ「帰りたい」と。観音クリエイションさんの曲を聞くと、そういう思いになる。
特別ポジティブではないし、といって、ネガティブなわけでもない。弾ける感じではないし、でも悲しくはない。少し感傷的な、でも自虐は含まない、やや明るめの寂寥感でもって心が温められていくような、そんな感じ。だれも傷つけない優しい優しい音です。

観音クリエイションさん
http://kannnonn.com/
https://twitter.com/kannnonn

鏤められた文字の行方

十数年前には随分と沢山の知人が居た、インターネットで文を書く知人。お互いに読むだけの人たちも、インターネットを離れた場所でも付き合いが続いた人たちも、皆年を重ねるにつれて減っていった。自分にとって、文に起こすということは心情の整理、恰好良く言えば精神統一だ、私以外にとってどうなのかは知らないが、多分、似たようなものではないかなと思う。
皆、どこへ行ってしまったのだろう。他の手段を見つけたのか。或いはもう、心情の整理が不必要となったのか。不必要だと言うなら、それはどんな状態なのだろう。もし私が、「私には心情の整理など不要です」と言う時は、想像してみるとなんとなく、自分の本心と向き合うことから逃げている状態なのではないかなと思う。

メモ
回りくどい言い方をして自分を守る人に、はっきりと直球で言ってくるまで気付かないふりをし続けるのが好き、そんな甘えを許さない。でも自分は、一切隙を見せずに私何か間違ってますか間違ってませんよね路線で話す事が多いので駄目ですね私理論武装ですね。と言ったら「あなたのは理論武装よりも理論スナイパーです」と。防御ではなく攻撃であると。そうですかーうふふっオッケー♪(流行に流されてみました)

メモ
腰痛の話題で。腰痛用コルセットではなく、女性用下着としてのコルセットが好きで持っています。と言ったら「何故そのような物を持っているのか」と。ヴィジュアルと仕様以外に何があるのか自問し出した答えは、怠惰の塊のような人間なのでだらけた服を着ていると心までだらけるから。でした。なんか中二っぽい!

覚え書き忘れ

二週間程前から、夢や、それ以外の事で色々と書き残しておきたかった事があったのだけれど、明日また明日と先延ばしにしているうちに、皆どこかへ飛んでいってしまったのでどうでもいい事だったのかも知れない。

誰かを好きになる時、彼がどのような内面を持った人に惹かれるか、その人をどのように思い愛でるかが想像でき、実際、その想像は外れることがなく、大体、私という人間は"その人"とは随分かけ離れた生物である。というような事を数日前に思いつき、というか、知ってはいたのだけれど、それをまざまざと突きつける事案が遂にあって、寒い部屋で独りひっそりしている。
ここへどのような事をメモしておくつもりでいたのか、思い出そうと頭を働かせようとしても、どうしても、その事が霧のように襲ってくるので二進も三進もいかぬ。

有難う御座いました

ピントを合わせる努力をしながら、来年もぼんやりしたものを心と網膜に留めてゆきたいと思います、本年関わり交わりましたすべての皆様本当にどうも有難う御座いました。また宜しくお願い申し上げます。

気がするひと

ピントを合わせるのが億劫になってしまって、一切合切がぼやける。何か大切なことを思い出すための夢を、見ていた筈なのに遠くの方へいってしまって、匂いのような色のような、イキフンのようなものしか思い出せず。そんな日が続いている。ような気がする。気がするだけかもしれぬ。
偽間男のことがなかなかにどうでもよく思えていて、それについて考えることもあまりしなくなった。彼に限らず、割と誰でもがどうでもよく、ただ何となく考えてみると、私はこんなだし、あれだし、気がついたときに文章で幾らかやりとりするくらいなら何という事はないけれど実際問題会って云々、それが例え健全なものだとしても、頭の中で両の手でもって大事に包んでいる彼との関係をぶち壊すだけのような気がして、うーんと、男関係においてはとみに、破壊王であるし、このまま進退なしに放って置きたいのではないかなと思う。何ですかこのセンチメンタルはクリスマスのせいですかそうですか。
夜道を流すと、雪を載せたトラックを目にするようになり、本当に冬なんだなあと思う、ばかみたいな感想だが。新潟や長野へは、暫く行くのを止すほかない。

寺社仏閣巡りに余り乗り気でない殿様が、成田山だけは行きたがるので、どうしてだか年に数回も足を運ぶ。いつものように稲荷の方へ回って、揚げと、白狐の小さな置物を買い、一寸目を離したらがちゃんと陶器の割れる音がして、何事かと思えば連れ合いが割れた白狐を持って呆然としていた。何やってんのばかなの。罰当たりめが。と言うと、「揚げの前に立たせてあげて遊んでた」と言う(店のおばちゃんは揚げの上に寝せて置いて寄越す)。阿呆かと思うし、超愛しい。ご免白狐。「交換するから持ってきてえ」とおばちゃんの声。おばちゃんもご免。また、一人落ち着き無くきょろきょろした後蝋燭に火を燈すと、既に揚げも白狐も連れ合いは供えてしまっていて、一番隅に並ぶそれを指差して「あんたが置いたんこれやろう?」と言うと、「なんでわかるの。ねえなんでわかるの」。八年も傍に居たらそりゃあ、わかりますわ。御籤をひくと二人とも吉であった。
外の店で買ったたこ焼きを片手にふらふらしていると、うなぎ屋で若い衆が熱心に串打ちをしていたので、心の中で「若者よがんばれよ、私はこんなだが」と迷惑な祈りを捧げながら、遠くから眺める。あとになって写真を見返したら、それは刃物を持ったおっさんと、おっさんに脅されてしゅんとする二人の写真だった。

星とかひとつも見えない金曜

10日
月がどうにかなるとかいう話で、赤城へ。月が奇麗、というと、夏目さんの和訳がどうとか言うけれども、双葉亭四迷の「死んでも良いわ」が私は好きです。衝撃的な言葉でもって、刺したり刺されたりしたい。

14日
月が、どうにかなっていると騒いでいたひとたちはどこかへ行ってしまたらしい。日付の変わる頃に、駐車場の車の脇へドラム用の椅子を出し、PCまで持ち出して双子座流星群を見物。これでもかという程に防寒し、モニターの明かりにぼうっと映し出されるナオン。不審者以外の何者でもない。

16日
スタジオのあれと呑み会。終わり、「金曜は山へ行く」と言っていたYさんに声掛けるも、やんわりと流され帰宅。後、ABちゃん*1に自作のMIXを送ってもらい、聞きつつ、深夜二時あたりから本格的な座談となりそのまま朝の七時を過ぎるまで。ヒップとホップと、日本語と、エレクトロの分類などの話で動画も交えながら熱く語り合い非常に有意義であった。びがっ。