マンホールの下より


ろくに声も出ぬので、終日アシスタント、つまらぬ。気がぬけてしまい呼び出されて叱られるなど。のどしゅっしゅ、しているものの、痒いところにノズルの届かない気休め散布。夕刻には撮影も終わり、連れ合いが電子ドラムを買って呉れると言うので機嫌を損ねぬよう・気がかわらぬよう、努めての放浪。電子ドラムを買う理由は、連休で飽き飽きしていること。私とおなじく、弦楽器よりも太鼓のほうが簡単だとおもっていること。もしじぶんができなくても私がドラムをなんとなくできるから無駄にはならぬのではないかということ。先日会った知人が目の前でギターを買いなんとなくいらっとしたこと。など。だそうです。七万いくらのローランドのそれに店の備品である椅子を無料でサアビスして貰い、椅子だけをお持ち帰り。本体は連休明けに届くとのこと。待ち遠しい。
先日会った知人、というのは、連れ合いの会社の同僚の友人、らしいのだが。どうやら私の知らぬところで同僚からメールアドレスを貰い、やりとりをしていたらしい。私が連日スタジオ通いなので暇を持て余し、ためしに会ってみたら、男だとおもっていたのに女だった、との事後報告。異性とふたりで会う、というのは、じぶんもやっていることだが、なんとなく釈然としない話だった。せめてメールしているひとがいるとか、これからいついつに会うとか、事前におしえてくれませんかね。突然聞いたことのない女と会ったと言われても。なにこれジェラシーかな。私ジェラってんのかな。いやたぶんちがうんですけど。
某書店から懐かしい声が聞こえ、耳をすますとユニコーン。次の曲がBUCK-TICKで、吸い込まれるようにそのままCDを購入。あのころの曲ってなんかいいよね。聞きながらまた本庄とか、寄居とか、行田らへんをふらつく。眼鏡を忘れたので助手席で写真を撮りまくっていたら、深夜のストロボ禁止令が下りぶうぶう言いながら窓を閉める。声は相変わらずろくにでない。
深夜一時に帰宅。南方君が、夢で私を見たと言う話をしているのを目にする。私の家に泊まろうというとき、家に入る前に「手を出して」と言われ、爪で手に傷をつけられた、家はマンホールの下のような暗くどんよりした場所だった。と言う。なんとなく、よいなとおもう。うれしい。なぜだかよくわからない。
他人の夢の話を聞くのはおもしろい。母がよく、見た夢を話すひとであった。無秩序で不条理で異世界の匂いがたちこめるそれは、聞いていて誠に気持ちが悪く、そしてとてもたのしい。
余裕がないと、いつも夢のなかで猫を飼っているきがする。抱いて撫でている。うさぎの場合もある。病んでいるとハムスター。なんだか動物天国。きょうはペットショップで愛らしい蛇を眺めてきたので、きっと蛇。あれを本当に飼える日はいつ来るのだろう。おやすみなさい。