怪盗藤井麗子の事件簿

実家のベッドに横になっているとテレビジョンでタモリ筒井康隆と、もう一人知らないサブカル研究家が、本当に面白いコミック決定戦というのをやっていて三冊のうちどれを大賞にするかという熱い議論をしていた。一冊は筒井原作の「怪盗藤井麗子の事件簿」でしりあがり寿のようなタッチの漫画だった。もう一冊は松村秀子という人の、サブカル臭とアングラ臭の強い漫画で、もう一冊は覚えていないが、結局大賞は松村秀子の本に決まって、スタッフロールが流れる中、最後の最後に駄目押しで筒井が自分の本を「面白いよ」と宣伝すると、タモリが「おれ読んでない」と言って笑いをとって、筒井の不満げな顔を最後にCM。
そんな夢を見て目が覚める、勿論実家のベッドではなかったし、Amazonで検索してみたら松村秀子さんという人は居たものの社会福祉の本を書いていた。「怪盗藤井麗子の事件簿」なんてものも存在しない。そもそも何故怪盗目線の事件簿なのか。探偵とかじゃないのか。
そのまままた眠ってしまい、そこでは私に二人の弟が居た。上の弟とは恋人同士のように仲がよく、久しぶりに郷里に帰ると歓迎してくれ、地域の何か、お祭のような物へ連れて行ってくれた。パン屋があって、ミルクフランスとかチーズデニッシュとかイチゴミルクパイとか、甘そうなパンばかり選んで、会計をさせている間に外へ出ると偽間男が白いトヨタハリアーを停めて私を待っていた。乗り込んで車が発進しようとする時に弟が戻ってきて、私の嫌いな、泣いているような怒っているような寂しそうな顔をするので、車から降りて弟の傍へ行き、ごめんごめんそういうつもりはなかった。と言う。
そういうつもりはなかった。起きてから、そういうつもりはなくても、そうなっちゃったら私が悪いんだよなあと反省するなど。